BLOG

音の旅を終えて

2021/11/26

こんにちは。フラメンコ舞踊家大沼由紀です。
このたびHPをリニューアル致しました。
ブログのページも設けましたので、
時々覗いていただけましたら幸いです。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

11月6日、大沼由紀新作舞踊公演「音の旅人」が終了致しました。
メンバー、スタッフ一同PCR検査を繰り返しながら進んで参りましたので、
無事公演を終えることが出来て、ほっとしております。
劇場まで足を運んで下さいました皆様、本当にありがとうございました。
また感染予防対策のため、限られた客席数となり、
ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。

この作品は、まさにコロナ禍を過ごす中で生まれました。
踊るという行為から一旦離れて、音そのもの、その先にあるコンパスを見つめ直し、
すると、なんと大雑把な感覚で捉えていたことかと気付き、愕然とする。
しかしその気付きが、今まで聞こえなかったものを少しずつ聞こえるようにしてます。
フラメンコの歴史をじっくりと勉強してみると、知らないことがいかに多いかに驚き、
今度は学ぶことが面白くて仕方ない。
すると今まで聞いていたカンテが、ギターが、何故か違って聞こえてきます。

そんなふうに今まで以上にフラメンコどっぷりの日々を過ごす中、
踊りも、歌も、そして語りも、
自分の中に生まれたものを肉体を使って外に出す行為なのだと確信していきました。
もちろん、それぞれにはそれぞれの必要なテクニックがあって、
それがあるからこそ、中に生まれたものを外に出すことが出来る。
だからテクニックは大事です。
でも、テクニックを見せるためにテクニックがあるわけではない。

故堀越千秋画伯の残した言葉。
「技の鍛錬をしつつも、技に憧れない。技に満足しない」
堀越さんは魯山人の言葉も紹介しています。
「至純な、正直な、ということは、恐ろしいことで、何者にも打ち勝つものである」

ただただ、フラメンコによって自分の中に生まれたものを、
身体、声によって、見えるもの、聞こえるものにする。

今回の作品では、語り、歌、踊りを、
場面場面に合った方法として登場させました。

ダイジェスト版をアップ致しましたので、ご覧下さい。

大沼由紀

 

一覧へ戻る