『SOLO FLAMENCO』Juan Villar×俵英三×大沼由紀
ー再会と感動の夜ー
2023/08/09
高円寺のタブラオ エスペランサにおいて、
8月4日、カディスの名門ヒターノ、歌い手ファン・ビジャルを迎えてのライブが行われました。
ファンとは何年振りになるでしょう。
過去のライブでは、何度も忘れ得ぬ瞬間がありました。
そんな時、ギタリストの俵さんも一緒でした。
その俵さんは、この14年間、難病であるフォーカルジストニアに苦しめられ、
約1ヶ月前、ついに手術に踏み切りました。
アメリカで経験を積んだ医師による手術は100%成功し、
1ヶ月のリハビリで、
14年前までの演奏と、ジストニア中に編み出した独自の奏法が合体するだろうとのことでした。
しかし。
何故か医師の予想に反して、リハビリは全く思うように進みませんでした。
「全く弾かれへん」「初心者に戻ってしまった」など、悲痛な声が届く日々。
代役の提案もあり、直前まで出演が危ぶまれましたが、
いやいや、この3人だからこそのライブ、
ファンも、ラモン(俵さんの愛称)の伴奏で歌うと言ってくれ、
予定通りのメンバーで本番を迎えました。
パルマの三枝雄輔君とギターの西井つよし君の渾身のサポート、
地の底から湧き上がるようなファンのカンテ、
長年一緒に数々の舞台を超えて来た私と俵さんの歴史やら、
いろんなものが渦になって、溶け合い、
そんな中、俵さんのギターから、グワっと、フラメンコの音が飛び出した時、
フラメンコへの感謝しかありませんでした。
フラメンコは、人間の計り知れぬ力を引き出してしまう。
ファン、俵さん、雄輔君、西井君、そして観てくださった皆さま、
ありがとうございました。