『斎藤恵子リサイタルー源流ー』
師匠と共に2023/11/13
10月29日、特別ゲストにエンリケ坂井・佐藤佑子両先生をお迎えしての、
「斎藤恵子リサイタルー源流ー」が、ガルロチにて開催されました。
スタジオ・カスコーロの門下生として、
私も渡部純子さんと共に出演させていただきました。
オープニング。
エンリケ先生の、一瞬でフラメンコの源に連れて行くようなソレアに、
恵子さんがブラソをゆっくり動かしていきます。
それはカスコーロのレッスンで、いつも繰り返し行っていたことです。
あの頃は当たり前のようにやっていたのですが、
いかに豊かな時間だったかと、しみじみ思います。
私は、ペリーコが弾き、ラファエル・ロメロが歌うガロティンをイメージし、
あの世界を壊さずに踊ってみたいと、初挑戦。
いやー、難しかった。
エンリケ先生の歌とギターに助けられました。
長年バルセロナのタブラオで踊ってきた実力派、渡部純子さんのタラントの後は、
斎藤恵子さんが、カディスの海を彷彿させるアレグリアスで1部を閉め、
2部ではそこから打って変わって、グッと深みに降りたシギリージャを踊ります。
そして最後は我らが師匠、佐藤佑子先生。
もちろん、佑子のソレア、と言わしめたソレアです。
エンリケ先生はギターを弟子の江戸さんに託し、カンテに徹します。
お二人が築き上げたこのソレア。
素晴らし過ぎて、言葉がありません。
私はスペインに行く前、ほとんどフラメンコのことは知りませんでした。
ただただ佑子先生の踊りに惹かれていたんです。
舞台に上がるだけで空気を変えてしまう、稀有な踊り手。
スペインに行かないとフラメンコは分からないわ、
Buenos dias! って、スペイン語で1日が始まらないとダメなのよ、
全ての季節を体験しないと分からないことがあるんだから、出来るだけ長くいなさい、
先生のそんな言葉を胸に、外国というところに行ったことがなかった私が、31歳でスペインへ旅立ちました。
あれから長い時が流れました。
この会を企画し、私たちを呼んでくれた斎藤恵子さんは、
35年ほど前でしょうか、まだ子供でしたが、妹さんと2人で佑子先生のレッスンを受けていました。
佑子先生達がスペインに行くと、私が代教を任されていたのですが、
打ち上げで、
「佑子先生は子供だからって容赦なかったけど、
先生がいない時に来る代わりの先生はもっと怖くて嫌だった」との発言が!
皆顔を見合わせ、そして、大爆笑。
いや、優しく教えてたつもりだったんだけどなぁ。
先生方を迎えて何かやりたい、と思い立ち、
この会を見事に成功させた斎藤恵子さん、
本当におめでとうございます。
そして会場いっぱいのお客様、ありがとうございました。
出演者
斎藤恵子(バイレ)
石塚隆充(カンテ)
江戸裕 (ギター)
三枝雄輔(パルマ)
友情出演
渡部純子(バイレ)
大沼由紀(バイレ)
特別ゲスト
エンリケ坂井(カンテ・ギター)
佐藤佑子(バイレ)