『2024年夏 スペイン回想記』
2024/12/26
今年の夏、久しぶりにスペインに渡った。
成田からヘルシンキまで13時間、ヘルシンキでトランジット11時間、そこからマドリッドまで4時間半。
さらに車で2時間かけて、今回の滞在先となったプエブロ(村)へ。
果てしなく遠い旅だった。
32年前の初めての渡西から、どんな時もスーツケースの中にはサパトスがあった。
スペインに行くことは、フラメンコを追い求める旅以外の何ものでもなかった。
しかし今回は、初めてのサパトスを持たない旅。
フラメンコという入場券を持たずに彼の地に降り立った時、
生まれて初めてスペインの大地に身を置いたように感じた。
憧れの赤茶けた大地は、
なんと厳しい自然であるだろう。
水の豊かな日本の自然には、緑の濃淡が色濃く広がるが、
ここにあるのは、オリーブの木と乾いた土。
フラメンコは、この乾き切った空気の中にある。
環境も違えば、生活習慣も、もちろん言語も、なにもかにも違うのだ。
それなのに、心揺さぶられる。
なぜ?
理由なんか必要ない。
でも、己がフラメンコを踊るとなった時、
この違いに愕然とする。
全てを飛び越えて、
私を揺さぶり続ける「なにか」を信じるしかない。
同じ人間なのだと。
環境、人種を飛び越えた魂なのだと。
フラメンコよ、こんな私を踊り続けさせてくれて、
ありがとう。
アンダルシア地方ハエン県
Úbeda ウベダ、Jaén ハエン、Baños de la Encina バーニョス・デ・ラ・エンシーナへの旅
16C築 Palacio Anguís de Medinilla (Úbeda)
Alfarería Tito (Úbeda)
ところ狭しとTitoの作品が並んでいる
Premio Nacional de Artesanía受賞 (2006, 2012年) の陶芸作家 Tito と
(Alfarería Tito にて)
Jaén
パラドールの夜明け (Jaén)
Baños de la Encina
馬と出会う (Baños de la Encina)
バーニョスの城跡 (Baños de la Encina)
城跡から広がるオリーブ畑 (Baños de la Encina)