『2025年3月9日バースデーライブ -Vínculo(絆)-』
2025/03/26
誕生日は誰にでもあるのに、
自分の誕生日にこんな形で皆さまを集めてしまうなんて、
ちょっと図々しかったかなぁとも思ったのだが、
いや、自分の誕生日というより、
ここに集った全員の、この世に生を受けたことへの祝福の日としたらどうだろう?
全員のバースデーライブ!?!
うん、それはなかなかいいぞと1人頷き、
当日を迎えた。
2週間以上経った今も、あの日の空気の感触を身体が覚えている。
集まって下さった皆さまと、
一緒に舞台に立ったムシコス、バイラオーラ達と、
フラメンコが縁を結んでくれたことに深く感謝。
フラメンコが無ければ、この絆は生まれなかった。
大袈裟かも知れないが、奇跡だと思う。
今回は、
私がヘレスに住んだ時期より後に、
同じくフラメンコを求めて彼の地に住んだ踊り手を2人迎えた。
大阪の岡なお子さんと、博多の市村美穂さん。
ヘレスの小さなペーニャの片隅でひっそりと、ものすごい歌を聴き、
同じアルティスタに教えを受けた仲間だ。
歌い手は、やはりヘレスのエバ・ルビチに長く師事した西容子さんと、
2022年の私の劇場作品「音の旅人」に参加した小松美保さん。
ギタリストは、もう30年近い付き合いの西井つよしさん。
バイラオール三枝雄輔さんには、パルマとヌディージョをお願いした。
そして今回、この方をお迎え出来たことは、なんとも大きなことだった。
3月10日に喜寿を迎えられたギタリスト、エンリケ坂井師匠である。
私が27歳で門を叩いたのは、佐藤佑子・エンリケ坂井先生主宰のスタジオ・カスコーロ。
フラメンコが何かも知らず、漠然としたイメージでいくつかのお教室を見学、
カスコーロに足を踏み入れた瞬間、「ここだ!」と思った。
踊りのクラスにギター、カンテが付く教室はほぼ無かった時代に、
エンリケ先生がギターを弾いて歌ってくださることで、
フラメンコは歌、バイレは歌に踊ると自然に覚えた。
タブラオにカンテ不在もあった時代、
なんと贅沢な環境だったかと、ずっと後になって気が付いた。
年を経て、師匠達の偉大さに震える。
その偉大さんが分かるくらいまでは、なんとか成長したということだろうか。
小松さんのグラナイーナ、西さんのカーニャの歌伴奏に加えて、
踊り伴奏はもうしないよ、という師匠に無理を言って、
最後の私のソレアを伴奏していただいた。
乾いた音が立ち上がる。
大きな音ではないのに、隅々のニュアンスまではっきりと聞こえる。
その音を掴むべく踊る。
師匠のトーケはメンバー全員の集中をマックスまで引き上げ、
フラメンコが立ち上る。
フラメンコは時間がかかる。
その時間を長いことフラメンコと共に生きた先輩から、
私達はたくさんのことを学ぶのだ。
ープログラムー
- 音の旅人 コンパス編. ーBalvai(風)ー
パルマ・ヌディージョ/三枝雄輔 バイレ/大沼由紀 - ギターソロ Soleá エンリケ坂井
- カンテソロ
Granaína 小松美保
Caña 西容子
(伴奏 エンリケ坂井) - クアドロフラメンコ
バイレ/市村美穂 Cantiña
岡較子 Tientos
ギター/西井つよし
カンテ/小松美保 西容子
パルマ/三枝雄輔 - アトラクション
バイレ/大沼由紀 Soleá
ギター/エンリケ坂井 西井つよし
カンテ/小松美保 西容子
パルマ/三枝雄輔 市村美穂 岡較子 - フィン・デ・フィエスタ
師匠達は「フラメンコの深淵」という凄まじい公演を連続して開催。
ついに、あのチョコラーテまで呼んでしまった。
そしてスタジオカンテライブまでやってしまった。
なんとチョコラーテのカンテをスタジオで聴くことが出来たのだ。
ライブ後のスタジオカスコーロ。
Tシャツにサインをねだる私、サインをするホセ・メンデス。
それを見下ろすチョコ様。
クーロ・フェルナンデスの右眼。
額縁の中にはディエゴ・デル・カストール。
オレー!